「弁天娘女男白浪」「本朝廿四考」「人情噺文七元結」

今日は「着物で歌舞伎の日」。さらに桜席から初観劇。いやぁぁぁ、楽しかった! 桜席から観る客席全景はもう、壮観のひとこと。男性も女性もみんな着物なので、なんともはや、キレイ。中には洋服で来てしまった方もいたようだけど、中村座のハッピがレンタルされていて、それはそれで着てみたかった気も。しかし、この着物というドレスコード、敷居が高いとはいえほとんどのお客さんがちゃんと守っていてすごい。まぁこないだ中村座に来たときも「着物率高いなー」とは思ったけれど。なんだかイイ大人が本気で遊んでる感じで楽しい空間。コクーン歌舞伎「夏祭浪花鑑」の千秋楽の搬入口も楽しかったけれど、この「着物の日」も祭りって感じで楽しいなぁ。他のお客さんのコーディネートを眺めるのは目の保養。若い子は訪問着っぽいのを美容院で着付けしてもらいましたっていう雰囲気の子や、古着のアンティークっぽいのを着てる子も。ああ、みんな可愛い。
さて初の桜席、コレ、やみつきになりそう……。弁天小僧の後見さんの働きをじっくり観られて面白い。弁天小僧が殴られてる間にカツラごと交換しているのを目撃したり、客席のほうを向いて弁天小僧が顔を伏せてる間に後ろで足袋を脱がせていたり(そういえば片肌脱いだ時の弁天小僧は裸足だったな)と、細かいところまで観られてちょっと得した気分。幕が引かれた後も役者さんによっては桜席にご挨拶してくれたりするので(しかもかなりの至近距離で♪)もう、楽しいったらない。控えめに目礼してくれた七之助さん、ニコニコと笑顔でお辞儀をして去っていく弥十郎さん、眼があった瞬間に思わず手を振ってしまったら微笑して下さった芝のぶさん、そして最後に桜席のお客さん全員の顔をみて「ありがとうございました」と上手と下手でそれぞれご挨拶してくださった勘九郎さん。なんだか役者さんとの距離が近くなった気がする席だった。
休憩中も、舞台転換の様子がみえて楽しい。「あぁ背景ってああなってるんだぁ」とか「建物はこうやって組み立てるんだなぁ」とか、珍しいものをみせてもらった気分。「本朝廿四考」の間も後見として大活躍の芝のぶさんをたっぷり堪能。福助さんの人形振りも楽しい。
文七元結」の大川端→長兵衛の家への転換の間、舞台の下手に子役の少年が普段着で立ってたのを目撃したけれど、あれは清水大希くんだったかな……? 勘九郎さんが袖に下がるように身振りで指示してたけど、少年はにこにこと楽しそうに役者さんたちのほうを観てました。清水くんだとしたら(多分そうだと思うのだけど)、夜の部は出番はないはずなのに、小屋にいるのが好きなのかな。「文七元結」はさすがに小屋の中での芝居は半分くらいしか見えなかったけど、そんなのが気にならないくらい楽しい席だった。
カーテンコールは福助さんをのぞくメインキャストの皆様が再登場。勘九郎さんから簡単なご挨拶。終演後に奥山風景に役者さんたちが行くのだとか。となれば終演後も見学しない手はないので、奥山風景へ移動。いつもは夕方5時半には店じまいするそうだけど、今日は役者さんたちが来るというので9時まで営業すると、だんご屋のお姉さんが教えてくれた。
みたらし団子を食べながらまっていると人混みの中に勘九郎さんが登場。観客に取り囲まれて、なんだかお練りみたい。その後は福助さん、扇雀さん、弥十郎さん、七之助さんと順番に通っていったけれど……取り囲んだファンの頭ごしに時々かいま見える程度。もう大騒ぎ。持ってたカメラで写真とったりして。……と、ふと振り返ると、すぐ後ろに着物姿のいとうせいこうさんの姿が! うわぁ、珍しいもの観てしまった。……と思うのもつかのま、役者さんとファンの集団が行ってしまった後、眼の前をゆうゆうと通り過ぎていくメトロファルスの伊藤ヨタロウさんの姿! 大正時代風(?)な着物&帽子姿がちょっといかがわしくてヨタロウさんらしくて、なんだかめちゃくちゃカッコよかった。さらにあまりお客さんが騒いでないエリアで中村芝のぶさん発見! チャンスとばかりに思わず声をかけてしまった……(すみません芝のぶさん)。
役者さんたちが茶店で飲み食いしてる間はまわりをファンと通行人がとりかこんで大騒ぎ。取り巻いている客の中には「あれ誰? なんて俳優?」なんていいながら携帯で写真をとってる人も。勘九郎さんや福助さん、七之助さんたちが去ると取り巻きのファンも去って茶店は閑散。そんな茶店の赤い布をかけたベンチで、いとうせいこうさんと伊藤ヨタロウさんが着物で談笑しているというなんだか面白すぎる風景を目撃してしまった(こんな珍しいものそうそう見られない)。運良くファンを逃れた(?)弥十郎さんや扇雀さんたちも同じ茶店で一杯やっていたので、そんな茶店の光景を背景にして思わず写真を一枚撮ってしまったりして。一緒に行ったお友達と「あはは、楽しいー」と連呼しながら仲見世歩いて帰りました。大満足。

詳細→ http://www.shochiku.co.jp/play/others/nakamuraza/0310/
「弁天娘女男白浪」浜松屋見世先の場・稲瀬川勢揃いの場

  • 弁天小僧菊の助   七之助
  • 南郷力丸      市蔵
  • 赤星十三郎     扇雀
  • 忠信利平      勘九郎
  • 日本駄右衛門    弥十郎

「本朝廿四考」奥庭狐火の場

  • 八重垣姫      福助

「人情噺文七元結