「グリース」

この作品は初見。リバイバルヒットしたロンドンのカンパニーがそのままそっくり来てるだけあって*1、キャストの実力はさすが。ちょっとサンディ役(ジョアン・ファレル)のガタイが良すぎるのが気になるけど……ダニー役(ベン・リチャーズ)はカッコイイ。目の保養。ストーリーはもう薄くて薄くて何の内容もないので、舞台にストーリーを求める人にははっきりいっておススメできない*2、けど、歌やダンスのシーンは迫力あって楽しめる。2幕のダンス・パーティのシーンなんて、ヘタすりゃこの夏来日したミラノ・スカラ座の「ウエストサイドストーリー」よりもずっと迫力あってカッコよくて楽しかった。観客を自然に沸かせる演出もさすが。会場がむやみにでかいので空気が薄まっている感じはするけれど、もうちょっと安くてもうちょっと狭い会場ならおすすめできるんじゃないかなぁ。

詳細→ http://www.GREASE.jp/

ストーリー
50年代のアメリカ。高校生のダニーとサンディは避暑地で出会い、恋に落ちる。やがて夏が終わり二人は離ればなれになるが、ダニーの通う高校に偶然サンディが転校してきた。学校でのダニーは、革ジャンにリーゼントでビシッと決めた不良グループ“Tバーズ”のクールなリーダー。本当は惹かれているけれど、仲間の手前、可憐なお嬢様サンディに冷たく当たってしまう。素直になれない二人の恋の駆け引きが華やかな学校生活に彩られて繰り広げられる。
解説
ブロードウェイ初のロックンロールミュージカルとして記録的なロングランを打ち立 て、映画版は世界規模で空前の大ヒット。ブロードウェイ開幕から31年、映画公開 から25年を経た今なお世界中で愛され続けています。
皮ジャン、サングラス、リーゼント、チアリーディング、アメ車、ディスコパー ティーベトナム戦争前、一抹の迷いも不安もなかった時代…ストレートに、明る く、華やかで、ひたすらカッコいい…そんなテイストが、今また求められているのか 古き良きアメリカを描いたロックミュージカルが再び盛り上がりを見せています。
エルヴィス・プレスリーのベスト盤が発表され、世界各地で売上を延ばしている中カナダ発ミュージカル「エルヴィス・ストーリー」が来日上演、ジョン・トラボルタ主 演の大ヒット映画を数年前に舞台化し世界各地で大成功を収めた「サタデーナイト・ フィーバー」も、今夏日本で翻訳上演が決定しています。同じく大ヒット映画を舞台 化した「フットルース」はブロードウェイでは大ヒットとまではいかなかったもの の、アイドルを起用した日本での翻訳上演は、初演、再演とも若者たちから熱い支持 を得て大成功。現在、ブロードウェイで最もチケットが取れない大ヒットミュージカ ル「ヘアスプレー」もジョン・ウォーターズによる映画を基に舞台化された作品です が、この映画自体、「グリース」の要素をふんだんに取り入れパロディ化したものな のです。

*1:普通、来日公演はツアーカンパニーであることがほとんど

*2:“男と女が出会ってくっつくまでのもどかしさ”を手を変え品を変えてありとあらゆるバリエーションで描いている少女漫画で育った日本の婦女子たちが、このストーリーで満足できるとはとても思えない……