宝塚宙組「白昼の稲妻/テンプテーション!ー誘惑ー」

一部の「白昼の稲妻」は19世紀前半のパリが舞台。男役の衣装は短髪にスーツ系で娘役の衣装は華やかなドレス。貴族がごっそりでてくるだけあって、ゴージャスな衣装が楽しい。「ヅカらしい」コスプレ作品だった。ただ話はどうなんかな。クライマックス、復讐を果たすための劇中劇にさしかかるあたりはもう、ツッコミどころ満載だ。ちょっと破綻気味。まぁでもストーリーを気にしない分には楽しい。劇中劇シーンはいままでにあんまりヅカで聴いたこと無いような曲調でちょっと盛り上がった。あとでパンフレット観たら振付はあの川崎悦子先生でびっくり。そう解った上でちゃんと観たかった気も。
和央ようかさん&花總まりちゃんの主演コンビは相変わらず美しいなぁ。堪能。ふたりきりで向かいあうシーンとか、完全に世界がふたりのものになってた気がする。もう客が目に入ってないくらいの勢いだ。愛がある……。二番手・水夏希さんは今回公演期間の途中で抜けるせいか出番も少なくややもったいない感じ。タダの悪役だった。いつもは明るい弟分的な大和悠河さんがめずらしく陰のある役で、いささかキザに見えなくはないけどかなり格好良かった。
二部のショーは、なんつーか宙組らしい“チープゴージャス”なショー。どこか安っぽさがあるというか、キャバレーのショーをみてるような感じが……。とはいえ、終盤でラインダンス→大階段で黒燕尾の群舞→フィナーレと一気にたたみかけてくれるあたりは「これぞ宝塚!」と嬉しくなってしまうけれど。大和悠河さんの女装が二場面。あの大胆なスリットではみんなが足をみていたことだろうなぁ……。

詳細→http://kageki.hankyu.co.jp/revue/04/01cosmos/index.html
ミュージカル・ロマン「白昼の稲妻」
作:柴田侑宏 演出:荻田浩一
劇作に打ち込む、頭脳明晰な青年貴族アルベール。かつて自分の家族を追いやった男たちに、復讐の念を燃やす伯爵令嬢ヴィヴィアンヌ。優雅でありながら権謀渦巻くサロンと、犯罪大通りと呼ばれる活気溢れる下町の人間模様の中で、二人は次第に魅かれあっていく。19世紀前半のパリを舞台に、人生の哀歓を描くミュージカル。

ロマンチック・レビュー「テンプテーション!−誘惑−」
作・演出:岡田敬二
「熱く激しく…美しく妖しく…」Temptation = 誘惑をテーマに展開される、ロマンチック・レビューシリーズの第15作品目。宙組和央ようか花總まりのゴールデン・コンビが甘い陶酔の大人のレビューを繰り広げます。