シルク・ド・ソレイユ「キダム」

tcd2004-01-08

たまたまタダ券をもらったのでマチネで観劇。平日昼間だというのにSS席はほぼ埋まってるように見えた。すごいな。S席・A席は割と余裕がある感じ。しかし、正直このS席・A席はおすすめしない。別に舞台上に見えない箇所がそうあるわけではないのだけど、センターステージでメインの出し物をやってるあいだ、後ろのステージでやってるアンサンブルの動きがまったく視界にはいらないのだ。多分、無意識のレベルに訴えかける情報量が席によってだいぶ違うと思う。Dブロックで観るのがいいのは当たり前だけど、同じ料金ならB、Fブロックの前のほうより、C〜Eブロックの後ろを選んだほうがいいと思われた。
で、実は初シルク・ド・ソレイユ。サルティンバンコアレグリアも未見。うーん。もちろんつまんない芝居よりはずっと良いし、確かにラストのバンキンなんかは文句なしにスゴイのだけれど。うーん。なんかもうひといき決め手に欠ける感じ。ひとつひとつの演目も、最初は「おぉ」と思って観てるのだけど、だんだん観てるうちに飽きて来ちゃう。特にエアリアル・コントーションとか。バイス・バーサ スタチューとかハンド・バランシングあたりで、いかにも難しそうにやってみせたことを、最後のバンキンで他の人が軽々とやってたりするのをみると「おいぉぃ、さっきの拍手返してくれよ」とか思ってしまう。
まぁ座席がS席で上に書いたとおり演出の全てを観られる席ではなかったので、なんとも気の抜けた感想になってるのは事実だと思うのだけど。やっぱりひとことでいうと「びっくり人間の驚きパフォーマンス」に過ぎない感じではあった。サーカスの一言で片づけるにはもったいない程度に演出されてるとは思うけど、あの大きさのテントではやはり少々大味な感じ。後ろ10列くらいつぶしてもう一回り小さいテントなら、もっと会場の一体感が出るだろうにと思わないでもない。個人的にはやっぱり舞台作品にはストーリー性やきっちりと構築された世界観を求めてしまうので、個人技を並べただけの世界にはどうものめり込めなかった。ひとつひとつのパフォーマンスに「へー、すごいねー」とは思うけど、総合的なショーとしてのカタルシスには欠けるというか。うーん、あれより面白い舞台芸術は世の中にいっぱいあると思うんだけどなぁ。

キダム公式サイト→ http://www.fujitv.co.jp/jp/events/quidam