安藤洋子×W.フォーサイス 「WEAR(安藤洋子新作ソロ)」「N.N.N.N.」「QUINTETT」

客層はコンテンポラリーダンス系にありがちな、「ちょっとインテリ&オシャレ」風な人々。ピナバウシュとかもこんな感じだったよなぁ、そういえば。たまたま同じ回を見ていた友人が「フォーサイスの時は全体的(洋服の色が)黒っぽい」と話していたのがちょっとおかしかった。みんなコムデギャルソンとか山本耀司 とか着てんじゃなかろうか。
ガラ公演以外でちゃんとフォーサイス見るのってもしかして初めてかな。一本目の「WEAR」は新作。ソロと書いてあったけど、実際には男性ダンサーがふたり一緒に出演していた。うーん、フォーサイスってこんな振付家だったっけ。なんというか暗黒舞踏っぽいというか……抽象的すぎて、正直、なんだかよくわからない。眠かった。終演後のポスト・トークで南極点を目指したアムンゼン(あれ? スコットのほうだっけ? とにかく南極にいこうとした誰かの話だったような)をモチーフにしたとかいっていたような気がするけど……。そう聞くまでそんなテーマだとはまったく気付かなかった。
二本目「N.N.N.N.」(フォーエヌと読むらしい)。4人の男性ダンサーがスピーディに踊る。あ、よかった。これこれ、こういうのが見たかったの。私のイメージの中のフォーサイスってこんな感じ。「作用・反作用の法則」なんて言葉を思い出したりして。ぐるりと回した腕同士がぶつかると反対側に同じ円を描いて戻ったり……みたいな、ある種機械的な動きの組合せ。ああ、フォーサイスってやっぱり理系頭の人なんだろうな、なんて思ったりする。
三本目「QUINTETT」。5人のダンサーが組合せを変えながら、二組のカップルが同時進行で踊っていく感じ。これもスピーディな動きが気持ちいい。最初の1本はともかく、後半2本は面白かった。4000円でこの内容なら悪くない。終演後はポスト・トーク野田秀樹登場。野田・安藤・フォーサイスの3人と簡単なトーク。内容はいまひとつ覚えていないけれど、前述の「WEAR」のテーマについてフォーサイス本人の口から意図がきけただけでもまぁ十分か。あれ聞いてなかったらただの「暗黒舞踏じゃん」と思いながら帰るところだった。

http://www.setagaya-ac.or.jp/sept/jouhou/03-2-4-54.html
二十一世紀舞踊 安藤洋子×W.フォーサイス「WEAR(安藤洋子新作ソロ)」「N.N.N.N.」「QUINTETT」
[振付]W.フォーサイス
[出演]安藤洋子/フランクフルトバレエ団

解説
木佐貫邦子ダンスアンサンブルの中心メンバーとして活躍後、01年よりフランクフルトバレエ団に入団。現在では同バレエ団でソロパートもつとめる安藤洋子が、渡独後初めての新作ソロを披露します。フランクフルトバレエ団の芸術監督であり、新しいコンテンポラリーダンスの可能性を開拓し続けるウィリアム・フォーサイスが彼女のために振付けた新作ソロ、来日は実に5年ぶりとなるフランクフルトバレエ団の代表作「N.N.N.N.」(02年初演)「QUINTETT」(93年初演)という豪華三本立てでお届けします。