明石家さんま主演「JOKER」

さんま師匠出演ならこりゃチケットは激戦だろうと思っていたら、あまりに簡単に取れすぎてまんまとダブらせてしまった。まぁそれでもすぐサバけたけれど。最初に手配していたチケットの日にいけなくなったのでギリギリになってからオークションをのぞいたら、びっくりするくらい値崩れしていて驚いた。ほぼ半額で買えちゃったよ……どうなってんだ。
まず上演時間を見て愕然。3時間休憩なし、って。何それ。客の生理を完全に無視してないか。休憩は出演者のためにあるんじゃない、観客のためにあるんだぁぁ。オープニングから数十分にわたるヌル〜いコント合戦にも閉口。面白ければいいけど、つまんないんだもん。そりゃぁお客さんはさんま師匠のアドリブが見たくて来てるんだろうけど、コントならコントでもうちょっと作り込んだの見せてくれよと。本編が始まってからも、なんともはや、大味な脚本だこと。生瀬さん、役者業に専念しすぎて筆が鈍ったんだろうか。それともいろんな制約や大人の事情で思うように書けなかったのかなぁ(なんか後者のほうが可能性高そうだ)。まだ4年前の「七人ぐらいの兵士」の時のほうが、「ちゃんとドラマを作ろう」という気概が感じられたような気がする。今回も終盤泣かしどころがあるにはあるけれど、なんとも心に響かない内容。うーん。
美術もなんかやっすいセットだなー、なんで戦場なのにそんなポップなビジュアルなの。とか思っていたら、堀尾氏の仕事だったので驚いた。うそぉ。舞台のプロの仕事とは思えないんですが。
いいところがあったのは新谷真弓嬢の熱演だけ。唯一お金を払った価値のあるキャストでした。あ、でも小栗くんも悪くはなかったな。「ハムレット」では一瞬しか出番がなくて完全に損していたけれど、今回は良かった。あまり遊びのない感じではあったけど、お笑い担当のキャストがスキをみて笑いを取ろうとしてる空気がぷんぷんと漂っていたり、きっちり演技しなきゃいけない場面でユルユルの演技してたりするのに比べたら、ずいぶんと安心して見ていられる演技だったと思う。
はー。しかし疲れるだけ疲れて、なんの面白みもない公演だった。

http://www.cubeinc.co.jp/stage/info/joker.html

Story
今回の舞台は、現代。兵隊さんコントの収録スタジオ。『究極の笑い』をテーマに、主演の小田切さんのインタビュー取材が始まり、戦争ネタは笑いきれないと言うライターの三橋に対して、小田切さんはこういう中にこそ究極の笑いがあると言う。ひょんなことから、太平洋戦争中に「小田切さん」と呼ばれる伝説的な人物のいる部隊、『小田切笑隊』に配属になったというの三橋の祖父の話になると、小田切さんは、その人物は自分の祖父だと告げ、自分が祖父から聞いたという『小田切笑隊』の伝説を語り始める。小田切さんが語る悲しくも抱腹絶倒のエピソードに引き込まれていく三橋、そして、あっと驚く結末が・・・