四月大歌舞伎

昼の部を3階席最前列より観劇。まず「番町皿屋敷」から。青山播磨とお菊の価値観の違いから生まれる悲劇。三津五郎さんがきりりとした雰囲気で好演。お菊と一緒に登場する腰元役に芝のぶさんが出ていて嬉しくなった。しかし、死体を井戸に投げ込んじゃったらもう水飲めないよー、とか思っちゃうのは私だけですか。
続いて「棒しばり」。こういう愛嬌の必要な舞踊はやはり勘九郎さん上手いなぁと思う。表情が細かくていちいちおかしい。三津五郎さんとも息があってるようにみえた。ただ、昨年6月にみた染五郎さん&勘太郎くんのはつらつとして元気な「棒しばり」のほうが、たまたま棒が折れるというハプニングがあったせいか盛り上がった気がしたな、正直なところ。
続いて「義経千本桜 渡海屋/大物浦」。知盛を仁左衛門さんが、と聞いたときは正直「えー、あんな迫力のある役をニザ様が? 線が細いんじゃ……」と思ったりもしたのだけど。すみません、杞憂でした。初役とはいえ、ものすごい迫力。前半はすっきりとした立ち姿に「かっこいーーー」と思い、後半の壮絶な姿には思わず観てるこちらにも力が入ってしまったりして。見得を切るところなんかすごい迫力で「うわあああこえええよぅぅ」とか思うんだけど、それが今にも死にそうな辛そうな表情になると、痛々しくて「うわあああ頑張ってぇぇぇ」なんて。先月の「すし屋」のいがみの権太といい、死にそうな演技させたら天下一品だなぁ……なんて。いやはや、あの細いお身体のどこからあんな気迫が出てくるのだか。圧倒されました。

詳細→ http://www.kabuki-za.co.jp/info/kougyou/0404/4kg_1.html
一、番町皿屋敷(ばんちょうさらやしき)

二、棒しばり(ぼうしばり)

三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
   渡海屋(とかいや)/大物浦(だいもつのうら)