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「空想 万年サーカス団」

うーん。誰も得をしない芝居だったような気がする。誰が悪いわけでもないけれど、企画からしてちょっと無理があったんじゃないかと……いや、スタッフ・キャストともにそれぞれのポジションでできることはちゃんとやっていたとは思うのだけど。 阪本順治監督は…

モダンスイマーズ「五十嵐伝〜五十嵐ハ燃エテイルカ〜」

この劇団は前回の「由希」に続いて二回目の観劇。いやー、面白かった。良くできてたなぁ。話は下の枠内にある通り、学生プロレス同好会のお話。部室を舞台に、四季の移り変わりと共に変化していく状況を丁寧に描いてる。最初は「ダメな男が入部してきたプロ…

ONEOR8「最後の恐竜」

雪山の中で雪男を捜す探検隊の、テントの中での会話劇。うーん、ちょっと今回は設定に凝ったせいで、そこから先がいまひとつだったような気が。今まではもっとフツーのシチュエーションで人間の機微をきっちり書こうとしていた気がするんだけど。ある意味、…

「タイタス・アンドロニカス」

うっかり彩芸までの時間を見誤り、余裕を持って行くつもりが開演ギリギリの駆け込みになってしまった。不覚。開演前になんだかスタッフの人々が段取り確認するようなことをやっていたようだけど、そこの部分はちゃんと観られなかった。蜷川さんの姿も観られ…

劇団☆新感線「レッツゴー!忍法帖」

一部ネタバレあり。未見の方はご注意を。 東京公演の初日観劇。とはいえもうすでに大阪公演をやってるわけだから段取りとかは心配ない……と思っていたのだけど。意外にぐだぐだな展開だった。アドリブタイムと思われる部分もなんか冴えなくて、「ギャグをハズ…

Oi-Scale「ジレンマセラピー」

引きこもりの少年を中心に、あるマンションの一室とその階下にあるコンビニ、それからマンションの横の公園で展開する物語。ある意味ネタバレする類の舞台なので詳細は伏せるけど、相変わらず未来のない、息苦しい物語。閉塞感と絶望でできあがった世界観は…

少年王者舘 KUDAN Project「真夜中の弥次さん喜多さん」

ナンセンスで、笑えて、哀しくて、切なくて、愛おしくて、怖くて、ゾッとして、びっくりして、虚しくて。そんな気持ちが次々と沸いてくる作品。初演を観て、その年のベスト3にランクインしていた傑作の再演。さほど間をあけずに再演になったとはいえ、前回…

「おはつ こひのてほん」

細かいことを言うなら色々とツッコみたいところはあるのだけど、まぁでも役者さんがみんな魅力的なので、3階席料金なら十分楽しい内容。脇役にも小劇場役者さんが多く、ここはパルコか本多かと思うようなシーンもあったけれど。まぁまぁ満足。 とはいえ、メ…

BENT

ストーリーはいいんだけど……どうにもこうにも、正直、主演の椎名桔平氏の演技が物足りない。つやつやと血色の良い肌と肉づきのいい裸が時代の悲惨さをまったく感じさせないし、抑えた演技といえば聞こえはいいけどどーにもこーにも抑揚に乏しい感じ。まず「…

シルク・ド・ソレイユ「キダム」

たまたまタダ券をもらったのでマチネで観劇。平日昼間だというのにSS席はほぼ埋まってるように見えた。すごいな。S席・A席は割と余裕がある感じ。しかし、正直このS席・A席はおすすめしない。別に舞台上に見えない箇所がそうあるわけではないのだけど、セ…

シベリア少女鉄道「ウォッチ・ミー・イフ・ユー・キャン」

前作「二十四の瞳」があまりにも壮絶なテクニカルバカ作品だったので、正直それに比べちゃうと物足りない気も。でもまぁ、相変わらずのバカバカしさにそれなりに満足しつつ、次の公演を楽しみにしてるのだけど。 ※もう公演終了したので、以下ネタバレします…

ラーメンズ「Study」

舞台はいつもどおり、白い壁のセンターに出入り口、のみ。コントとはいえ最後の「カネ部」みたいに集中力を必要とするネタもあったり(ちゃんと聞いて頭の中で計算しないと意味がわからない)、まさに「Study」のテーマにのっとったコント集で、気楽にまった…

松平健新春公演 暴れん坊将軍スペシャル「唄って踊って八百八町〜フィナーレ・マツケンサンバ」

当日券で3階席から観劇。2階席はガラガラ、3階席も4割程度の埋まり具合。おそらく団体かと思われるエリアを除けば、B席はほんの十数人くらいしかいなかったような。 普通は商業演劇といえば「一部・お芝居、二部・歌謡ショー」という構成になるんだろう…

阿佐ヶ谷スパイダース「ともだちが来た」

初演とOMSプロデュース版は未見。この戯曲を観るのは初めて。とはいえ、もともとこの手の作風は苦手なので、多分あんまり楽しめないだろうなぁと思いつつ観劇。インタビュー記事なんかを読む限り、中山祐一朗演出は岩松演出を踏襲しているらしい。もともと高…

「リチャード三世」(市村正親主演)

多分謎の整体のせいだとおもうのだけど、体調が急に悪くなり、オープニングの後まもなく天に召されてしまった。エリザベスの登場すら観てなかった……ああ、何やってんだ私。B席5000円料金のうち1000円分くらいしか観てないんじゃないかなぁ。はー。なので感想…

法王庁の避妊法

自転車キンクリートの代表作を、ホリプロの「ウーマンズ・ビュー・シリーズ」第二弾として上演。じてキン版は未見なのでこの作品は今回が初見。産婦人科のセットのむこうに見える高い山の連なりが意図不明。新潟市内は越後平野だからあんなに近くに山が見え…

Junlie with 毛皮族 in Quattro「One Night Only You Foever 100% 純情」

クアトロは8〜9割くらいの埋まり具合。ほどよい混雑っぷり。舞台からフロアの中央に花道があり、一部のコアなファンの方々はその横にへばりついていた。体力に自身がなかったので段差の上から遠目に鑑賞。ざっくりと三部構成だったかな。二部のマイケル・ジ…

「放浪記」

初めての放浪記。やっと今年はチケット取れたー。しかし東京公演は即日完売だった。やっぱり大変。後日、両親のために梅コマ公演のチケットをとろうとしたら楽勝すぎて哀しくなった。 さて、森光子の若さといったら。「あれで80超えてんのかよ!」という驚き…

青年団プロデュース「夏の砂の上」

当日券でギリギリ駆け込み観劇。美術は丁寧に作り込んだ日本家屋。アゴラ劇場でいつもは桟敷になるエリアあたりまで舞台が張り出し、客席は段差のあるところだけという贅沢な環境。客席は数十席しかないんじゃないかな。役者の目線ひとつも見逃さずに見られ…

 G2プロデュース「止まれない12人」

この作品は97年の関西系小劇場役者中心の初演版も観た。正直、初演キャストのほうが面白かった。役者的には今回のキャストも悪くないんじゃないかなぁと思いながらみにいったのだけど、やはり100%初演キャストへのアテ書きで書かれた本を、ほとんど書き換え…

ハムレット(藤原竜也主演)千秋楽

徹夜組がでてるのは前日に何件か友人から通報があったので知っていたけれど、まだ真っ暗の始発直前、朝04:55頃に文化村に着いたら、もうすでに17〜18人並んでいて愕然。まぁでも、昨夜観た方の話によると1階にも立見席をずらりと出していたという話なので、…

「ハムレット」(藤原竜也主演)

19時半を過ぎた頃、たまたま新宿の金券屋でハムレットの今日のチケットが9000円で売れ残っているのを発見。嘘でしょ、もったいない! と店員と交渉、開演時間を過ぎてることを理由に3千円まで値引きさせて買い取り、速攻で渋谷へ。20時05分くらいに会場に到…

こまつ座「紙屋町さくらホテル」

絶賛の評はきいていたものの、新国立劇場制作の初演・再演は未見。「紙屋町〜」今回が初見。 正直、いかにも新劇めいたかたっくるしい演技がいまひとつ苦手で前半はちょっと冷めた気分だった。もうちょっとナチュラルにやれば笑えるはずの場面なんじゃないか…

グリング「jam」

この劇団を観るのは3本目。基本的にワンシチュエーション一幕モノの会話劇みたい。大きな事件は起こらないいわゆる「静かな演劇」タイプだけど、でも適度な笑いや緊張感もあって、リアリティとエンターテインメントのバランスが取れてる感じが好き。 実は最…

拙者ムニエル「HYPER DX 寿姫」

うーん……長い。3時間20分はやりすぎ。もちろん、それで面白ければ一向に構わないのだけど、セリフはかぶりまくってるし、段取りはめためただし、正直、「ちゃんと稽古してたのかなぁ?」と思うような出来映えだった。脚本が上がったのが直前だったと仮定…

ミュージカル「天使は瞳を閉じて」

第三舞台版や「コーマ・エンジェル」などの関連舞台は未見。ストレート・プレイの戯曲に、「とりあえず曲をぶち込んでみました」みたいな雰囲気で、「ミュージカルとしての良さ」はほとんどない。ミュージカルというより音楽劇だよなぁ、コレ。歌パート全部…

「ハムレット」(藤原竜也主演)

今回は思い入れ強すぎて長文です。ってか、完全に客観性欠いてますので(←そんなのはいつものことだけど)ご容赦を。 本文の前に:これまで観たハムレットは、蜷川幸雄演出&真田広之ハムレットを初演と再演、蜷川幸雄演出&市村正親主演、四季の石丸幹二主…

D.O.G.(Dangerous Old Gays)「違う太鼓」

観た方からとても良かったという評判を聞いて急遽当日券で観劇。ユニット旗揚げ作品らしいので、当然初見。ゲイの方のユニットが「50代のゲイ」を描いたということで、テーマ的に面白そうだなぁと思って見に行きました。客席は9割方男性。女性客は私も含め…

ナイロン100℃「ハルディン・ホテル」

まぁ、いつものナイロンらしい作品。ちょっとナンセンスな風味も交えて、10年前と現在のそれぞれの変化を描いた群像劇……といったところかな。3時間半の長さは意外に感じないけれど、逆にどこで終わっても良い感じは正直する。劇団公演だけあって、出演者全…

音楽劇「兵士の物語」

紀尾井ホール、はじめて行ったけどキレイなホールだなぁ。ジーパンだったので、もうちょっとコ洒落た格好して行けばよかったと軽く後悔。「兵士の物語」は初見。まぁ地味な話とは聞いていたけれど、実際、地味だった。もう少しダンスと音楽と演技が重層的に…